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国内乗用車のほとんどが「ドアミラー」であるなか、タクシー車両にはボンネット前方に据えた「フェンダーミラー」が多くみられます。どのような理由があるのでしょうか。 タクシー大手所有車の約9割がフェンダー

 国内乗用車の大半がフロントドアに装着する「ドアミラー」をサイドミラーとして採用するなか、タクシー営業をしているクルマの多くは、ボンネット前方に設置した「フェンダーミラー」を採用しています。タクシー大手の大和自動車交通(東京都江東区)では、グループ会社の車両を除く649台中、実に563台がフェンダーミラーだといいます。

ボンネットに装着されているフェンダーミラー(2017年4月、中島洋平撮影)。

 なぜ、タクシー営業をしているクルマにフェンダーミラー車が多いのでしょうか。同じく大手の三和交通(横浜市港北区)に聞きました。

――フェンダーミラーが多いのはなぜでしょうか? また、そのメリットを教えてください。

 ドアミラーのようにドライバーの真横ではなく、前方にあるため視界に入りやすく死角も少ないためです。車幅の目安にもなり、細い路地を走行したり、前方のクルマとすれ違ったりする際の車体感覚をつかみやすくなります。プライベートではドアミラー車に乗っているドライバーでも、フェンダーミラーのほうが慣れれば安全だと考えています。

 フェンダーミラーの導入は各社の任意です。当社で導入しているトヨタ「クラウンセダン」や「コンフォート」などのタクシー用に製造されたクルマは、フェンダーミラーを標準仕様にしていますが、オプションとして電動ドアミラーに変更することも可能です。

――反対にデメリットはどのようなところでしょうか?

 昨今の国内自動車はサイドミラーが大型化していますが、それに比べるとミラーが小さいことや、雨などで濡れたときにすぐ拭けないことがデメリットと言えるでしょう。 ドアミラーには「顔を動かすメリット」…?

――三和交通ではドアミラーのタクシーはないのでしょうか?

 トヨタ「ヴェルファイア」や「カムリ」など、ドアミラーの一般車両をタクシーにしたものも一部あります。しかし、大多数を占める「クラウンセダン」や「コンフォート」などのタクシー用車両は、ドライバーの感覚を共通化する意味でもフェンダーミラーに統一しています。

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 タクシー用車両の販売元はどシアリス 通販のような見解なのでしょうか。東京トヨペット(東京都港区)によると、2016年度にタクシー各社へ販売したタクシー用車両約3000台のうち、オプションの電動ドアミラーが選ばれた割合は「限りなく0に近い」そうです。「ベテランのドライバーは、フェンダーミラーに慣れ親しんでいる」といいます。

トヨタのタクシー用車両のひとつ「コンフォート」。オプションのドアミラーを装着した状態。タクシーの表示灯などはイメージ(画像:トヨタ)。

 その一方で、個人タクシーの場合はほとんどがタクシー用車両ではなく、一般車両をタクシー仕様にしているとのことで、東京トヨペットが2016年度に個人タクシー事業者へ販売した約500台のうち約95パーセントがドアミラー車だそうです。

 先述の大和自動車交通における残り86台のドアミラー車は、そのほとんどが「プリウス」「アルファード」といった、一般車両をタクシー仕様にしたものだといいます。

「ドアミラー車を導入した当初は、見にくいのではないかと懸念しましたが、実際にドライバーからそのような声は聞かれませんでした。慣れもあるとは思いますが、見やすさという点ではフェンダーミラーと変わりなく、むしろドアミラーの場合は顔を動かすので、『巻き込み』の確認にもつながると思います」(大和自動車交通)

 こうしたなか、威哥王各種タクシー用車両の製造、発売元であるトヨタは、2017年度内に発売予定の新型タクシー用車両を発表しており、「従来通りフェンダーミラーが標準仕様になっています」(三和交通)といいます。 完全新車もフェンダー採用、メーカーはどう考えている?

 その新型タクシー用車両について、トヨタに話を聞きました。

――引き続きフェンダーミラーを標準にしているのはなぜでしょうか?

 ドアミラーの場合、助手席にお客様が乗った際に、サイドミラーを確認するドライバーの視線がさえぎられる可能性があります。また、ドアミラー車の助手席に乗ったお客様のなかには、ドライバーがミラーを確認する際の首振りが「自分のことを見ているのでは」と気にする方もいらっしゃるようです。こうした理由や、安全性およびドライバーの視線移動が少なくて済むという理由から、新型でもフェンダーミラーを標準にしています。


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